『理想の彼氏』キャサリン・ゼタ=ジョーンズ インタビュー

40歳バツイチと23歳草食系男子が恋に落ちたワケ を語る。

『理想の彼氏』キャサリン・ゼタ=ジョーンズ インタビュー

『理想の彼氏』 主人公・サンディ役 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ インタビュー

Q: なぜ『理想の彼氏』に惹かれたのですか?

 実は、しばらくコメディーを探していたの。 私はコメディーが大好きなのよ。 ジョークを言い始めてもちゃんとオチをつけられないタイプなんだけど、ちゃんと脚本があって演じる機会があれば、いつも楽しんでる。 それで、(監督の)バートから送られてきた脚本を読んで、「すごい、こんな役、演じたことがないわ」と思ったの。 私が求めていた要素がすべて入っているんだもの。 滑稽さがあるし、私が演じるサンディはほろ苦い経験をするけれど、まったく予期せぬところで恋を見つけるという点がとにかく気に入ったの。 私が望むそういう要素がすべて、ひとつにまとまっていたのがこの『理想の彼氏』だったというわけ。

Q: サンディと年下彼氏アラムの関係が始まったのは?

 アラムは、サンディが子どもたちとニューヨークでアパート探しを始めたほぼ直後に出会う人物。 彼女は広告で、あるカフェの上に賃貸アパートがあることを知るの。 彼はアパートを探しているときに出会う最初の何人かのひとり。 そして、彼の親友が、アパートを借りれば、彼がベビーシッターをするという特典もありますよ、なんて言って、彼女はそれはちょっと変だと思うんだけど、それがサンディとアラムの出会いなの。 彼は結婚生活が破たんしたばかりで、かなり悲惨な目に遭っていた。 それがふたりの接点だと思うわ。 どちらも異なる意味で、相手からひどい仕打ちを受けたんだから。 その後、最初はサンディが友人から勧められた悲惨なデートをしている間 、彼がベビーシッターをしてくれたことから、ふたりは人間関係を築いていく。 離婚すると大変なのよ。 自分の人生は完成されて、永遠に続くと思っているときに子どもを2人抱えて離婚。 また最初からやり直さなくちゃならない。 嫌な言葉だけど、"市場"に再び出て行って、大昔に終わったと思っていたデートというものをまたやらなきゃならないんだもの。 そんなわけで、彼は子どもたちの世話を手伝ってくれて、映画が進むなかで、ふたりはそれぞれの過去を打ち明け合ったりしながらだんだん親しくなっていくの。 彼はサンディよりずっと若いんだけど、共通点がたくさんあり、一緒に過ごすことを楽しむようになるの。

Q: 護身術を習うシーンは、とっても強烈にインパクトがありました! 演じてみていかがでしたか?

 私と同じ女性たちが、ひどい目に遭った話を聞いたあとで、私は手を上げるの。 みんなの前で護身術をやってみますと申し出る。 サンディは、大都会に着いたときでさえ、何もかもうまくいくと信じていたのよ。 何も問題ない、自分はきっと大丈夫だと。 でも、明らかに彼女は大丈夫ではなく、相当ため込んでいた。 だから、彼女は心の中のドロドロしたものを一気に吐き出すの。 そして、"ファット・スーツ"を着た人物をボコボコ殴る。 とにかく彼女は、あらゆる感情、別れた夫に言いたかったすべてをその相手にぶつけるの。 それはカタルシス効果があるけれど、同時にとても感傷的なこと。 私としては、あのシーンはこの映画の中でもお気に入りのひとつよ。 サンディにとってだけでなく、私にとってもいいセラピーになったわ。

Q: 『理想の彼氏』の普遍的なテーマは?

 この映画全編を通して言えるのは、離婚とか、失恋とかは女性だけに起きることではないし、そういう出来事のために抱く感情というのも女性だけのものではないということ。 私が演じたサンディに起こったことは、男性であるアラムにも起こった。 「なんてことなの! 離婚して子どもを2人も抱えて、あんまりだわ!」なんてことは、女性だけの問題ではなく、男女どちらにも起きることでしょ。 それから、この映画のいいところはコミカルな面。 だって、いろんな試練に遭ったら、どこかで笑いがなくちゃ。 デートが悲惨だったり、とんでもなく個人的な質問を相手からされたり、「ほっとけ。 どうせこの女は連絡してこない」みたいな態度の男が相手だったり、そんなことが生きてるうえでは起きたりする。 そんなとき、何か笑えることがなきゃやってられないじゃない。 その点を監督のバートはちゃんと考えて、ほろ苦い要素をストーリーに入れたのよ。 誰にでも起こることだから。 実際、しょっちゅう起こってる。 そして、そんななかでも、また恋ができることがすごくステキなのよ。 2回目の恋。 「2回目がベスト」と言う人がとても多いけど、私自身はもうやり直したくはないかも。 分かんないわ。 でも、そういう男女どちらもにも通じる要素が、この映画の普遍的な部分じゃないかしら。

【あらすじ】 ニューヨークを舞台に、越してきたばかりのセクシーな40歳のシングルマザーに、24歳草食系男子が心を奪われるラブ・ストーリー。 ある日、夫が浮気をしていることを知ったサンディは即、離婚。彼女はすぐに~子どもたちを連れてニューヨーク行き、新しい家と仕事を見つけ、人生をやり直そうとする。そこでサンディが出会ったのは、大学を出てまもない24歳のフリーター。"理想の彼氏"とは程遠い相手だったのだが......。

Information

『理想の彼氏』

11月27日(金)丸の内ピカデリー他 全国ロードショー
©Rebound Distribution, LLC

http://www.risokare.jp

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