焼鳥 今井
2010/3/1
ヤキトリ イマイ
焼鳥 今井
さりげなく、捻りすぎず、進化を辿る焼鳥
全面硝子の扉の向こうに10席のカウンター。 『焼鳥 今井』の席は、今日も賛嘆や感動の声であふれる。
埼玉・おじま自然農園のタマ軍鶏を使用したコースは、鳥スープで幕を開ける。 優しく上品な鶏のエキスが体に染み渡って、俄然期待が高まる。 焼き物はレバーから。 口に含むと、とろりとした食感とねっとりとした旨味、そして柔らかな甘味が広がってゆく。 聞けば「タレにバルサミコ酢を合わせています」とご主人の今井充史さん。 酢によって肉の甘味が引き出され、まろやかに仕上がるとか。 素材によっては、シェリービネガーや太白胡麻油なども使い分けるという。
さらに、つくねはジュッと肉汁があふれ出し、ハツはコリッと、野菜は濃厚な旨味が凝縮されている。 絶妙の焼き加減が生む食感とひと手間加えた味に、串が出るたびに声が上がる。 まさしく至福の名店。 いや、名店とは高級料理の分野にあるばかりでは、決してないのだ。