ユルリヤ

ゆるり屋

定番から新機軸まで、まさに圧巻の鍋料理

現代的なビルの2階ながら、通りからの印象に相反する、風情のある佇まい。 入口を抜けて、三和土の通路を奥に進めば、追い込みの座敷にちゃぶ台、卓上にはホースタイプの昔ながらのガスコンロという昔ながらのスタイル。 品書きを捲ると42種にも及ぶ鍋のオンパレード。

鍋の総本山と謳う、現『ゆるり屋』のスタイルが確立されたのは2年前のこと。 当時は今のように、年がら年中鍋を供す店は、すっぽんや桜鍋などの老舗の専門店を除いて、まだ稀な存在であった。 春夏秋冬、月々、その時季に相応しい鍋に入れ替えての常時42種ゆえ、年間にすれば相当数の鍋を扱っている筈だが、いわゆる定番もの、オーソドックスな鍋がことのほか少なく、そのほとんどが独創的なアレンジを施されたものだ。 「フランスにはブイヤベース、スイスにはフォンデュ......、鍋は世界中で親しまれている。 今後は世界各地の鍋に挑戦したい」とオーナーは語る。

「皆で同じものを食べるという行為そのもの」という鍋の魅力を存分に味わえる店である。